クラウド環境でセキュリティ設計を考える際、Internetに出さずにデータをオブジェクトストレージに格納することについて考える機会が増えてきました。
最近、さくらのクラウドで「SEG(Service Endpoint Gateway)」というサービスがリリースされたので、SEGについて机上で勉強してみようと思います。
- SEGとは何か
- SEGを前提とした設計方針
- オブジェクトストレージとのセキュリティ関係
あくまで2026年5月時点で勉強し理解した内容となります。
SEG
SEGとは何か
SEG(Service Endpoint Gateway)は、
「クラウド内のリソースから特定のサービスへ安全に接続するためのネットワーク経路を提供する仕組み」
です。
代表的な特徴は以下です。
- プライベートネットワーク経由でサービスに接続できる
- インターネットを経由せず通信可能
- 接続先サービスを限定できる
さくらのクラウドにおいても、SEGはスイッチの拡張機能として提供され、仮想サーバからマネージドサービスへ安全に接続する経路を提供する役割を持っています。
SEGはあくまで「通信経路を制御するだけのコンポーネント」と理解しています。

SEGの設計方針
SEGを使う場合の考え方は以下の通りです。
設計の基本原則
原則1:許可ではなく「経路を固定する」
一般的なセキュリティ設計はどのIPを許可するか、どのユーザを許可するかという「許可ベース」の考え方になると思います。
しかしSEGの場合は「その経路を通らないと目的のサービスに到達できない状態を作る」になると思います。
原則2:閉域化に近づける
SEGを活用する目的は、通信をインターネットに出さない、公開エンドポイントを使わせない、という点にあります。
例えば:
さくらのクラウド内Server → SEG → オブジェクトストレージ
の形にし、直接インターネットからアクセス不可、SEG経由でのみ通信成立。
という状態にするのが基本です。
原則3:アクセス制御は別レイヤーで行う
SEGはアクセス制御を行いません。
したがって
- IP制限
- ユーザ制御
- 認証
などは、アプリケーションやAPI側で実装する必要があります。
SEGとオブジェクトストレージ
オブジェクトストレージの性質
さくらのクラウドのオブジェクトストレージは、
- Amazon S3互換APIを持つストレージサービス
- HTTP/HTTPSベースでアクセス
という特徴があります。
つまり、ネットワーク的には基本的に「外部公開されたAPI」と考えるのが適当そうです。
できること / できないこと
できる
- アクセスキーによる認証
- ACLによるpublic/private設定
できない
- 接続元IPによる制限
- 特定ネットワークのみ許可
- 特定環境(SEGなど)からのみ許可
SEGを使った構成は以下になります。
Server → SEG → Object Storage
このときのポイント:
- 自分の環境からのアクセスは制御可能
- SEGを通すことで通信経路を制限できる
しかしストレージ側での制御はできない
- ストレージは接続元を識別しない
- 認証(アクセスキー)が合っていれば受け付ける
なぜ完全な制御にならないのか
理由はシンプルです。
さくらのオブジェクトストレージは、「誰がどこから来たか」ではなく、「正しい認証情報か」で判断する構造と考えられるからです。
実際に起こりうる状況
以下の2つの環境があるとします。
A環境(SEGあり)
Server → SEG → Object Storage
B環境(別アカウント)
Server → Internet → Object Storage
このとき、B環境が正しいアクセスキーを持っていれば SEGを使わずにアクセス可能となります。
※Internetからのアクセスを拒否する設定はオブジェクトストレージのACL機能で実装は可能です。
セキュリティ設計としてどう考えるべきか
ここまでを踏まえた結論としてはSEGではセキュリティは成立しないとなります。
SEGは以下を提供します:
- 経路制御
- 通信の閉域化(に近い状態)
しかし、アクセス制御は提供しない為、AWSのアクセス制御のような細かい制御は出来ません。
おわりに
あくまでも勉強をした内容となります。間違っていたら指摘をしてくれるととても助かります。
さくらのクラウドは今現在でも開発が進行中で頻繁にアップデートがあるクラウドです。この内容も数か月したら変わっている可能性があると思っています。
まとめ
- SEGは通信をInternet(PublicIP宛)からPrivate(PrivateIP宛)へ経路を変更する機能
- 通信の許可・拒否を行うものではない
- オブジェクトストレージはPublic/Privateの制御は可能
- セキュリティという意味ではアクセスキーでの制御となる












































































